ご挨拶
診療を希望する患者様
患者様を紹介頂く先生
学生・研修医諸君
当科のホームページをリニューアル致しました。2011年に岩手医大に着任し、早いもので9年目を迎えました。「超最新医療の導入・推進と地域医療の拡充」の相反するテーマを掲げ、教室員やハートチームメンバー(心臓外科・麻酔科・放射線科・小児科医およびパラメディカル)で精力的に循環器診療を推進してきました。お陰様で、岩手医大は全ての最新医療を網羅し(国内随一)、国内有数の症例数と治療成績を納めるまでに成長しました。さらに新病院には、4つの心臓カテーテル室と2つのハイブリット手術室、最大24床の循環器ICUを装備し、圧倒的なスケールとスピードで患者様の医療を担当します。次代を明確に捕らえ、「変化し続ける」ことが我が組織の生命線です。
岩手県及び一部の北東北地域の循環器診療を担うことも我々の使命です。この間多くの若い医師が育ち、特に岩手県の心臓カテーテル医療の空白地が解消されました。いくつかの調査によると、過去20年以上も国内ワースト5に甘んじてきた岩手県の急性心筋梗塞の死亡率は、現在では「国内の平均よりもむしろ良い」レベルにまで改善しました。循環器の時間短縮は広い県土には大きな課題で、改善に対して医師のみならず行政も積極的で、心電図伝送システムや医療ネットワークといったIT技術が普及したことも貢献したものと考えられます。
大学病院での最新医療、地域関連病院で全人的医療、国内外への留学による自己研鑽のバランスのとれた人材育成とキャリア形成、家庭の事情などを優先した「長く一緒に仕事ができる体制」を最重要課題に講座を運営して参りました。これらに共鳴する60名近い新入局員を迎えましたが、循環器医療の体制整備には、さらに多くの人材が必要です。現在、専攻科として循環器を選択すると、カテーテル医療の進歩の産物で「手に職を持つ」医師になれること(AI診断の本格的導入に影響されにくい)、少子高齢化でも医療需要が増加する領域であること、これら2つのポテンシャルが約束されます。長い循環器の歴史を考えても、最も変化量が大きく、やり甲斐のある時期に相当するでしょう。
代表的な研究は、心血管リサーチセンター(画像コアラボ併設)での心臓カテーテル治療の多施設臨床試験の主宰、いわて東北メディカルメガバンクでの学際的な大規模ゲノム研究、岩手県立大学との革新的な医療ソフトウエアの共同開発です。これらの成果は主要国際学会のlate breaking sessionをはじめ、大小様々な学会で報告され、専攻医にも多数の機会を設けます。興味あるものに出会えば、生涯にわたりライフワークとして取り組めると思います。
患者様をご紹介頂く場合ですが、循環器の新患外来は内丸メディカルセンターと矢巾附属病院の両者にございます。受診の利便性を考え当科は南北2箇所に門戸を整備しました。どうぞ患者様の希望で選択下さい。緊急のご相談は、医大循環器ホットライン(*注 医師限定:019-653-2431)まで、躊躇せずお電話下さい。24時間365日、お待たせせずに循環器専門医が対応することをお約束します。
岩手県及び北東北の循環器医療を守り繁栄させるため、教室員一同努力して参りますので、どうかよろしくお願い申し上げます。多くの若者が我ら教室に集い、優しい医療を通じ地域や患者様に愛され、この地域に長期にわたる「正の循環」を定着させることを願ってやみません。